さまざまな理由がある

休みが少なく体力に不安を感じている

介護労働安定センターが介護士を対象に「どのような不安や悩みがあるか」というアンケートを実施したところ、約3割の介護士が「体力に不安がある」と回答したそうです。また、「人手不足」や「有給休暇が取りにくい」といった悩みも上位にランクインしていました。このことから、人手不足により十分な有給休暇を取得できない環境の中で体力に不安を感じながら働いている介護士が多い、ということがわかります。

休みが少なく体力に不安を感じている

体力が必要な理由とは

介護士の仕事は多岐に渡っていますが、入浴介助や排泄介助などの身体介護をはじめ、車イスからベッドへの移乗介助、食事の配膳や片付け、レクリエーションや施設内の清掃など体力を必要とする業務がたくさんあります。その中でも身体介護や移乗介助は利用者の体を支えながら行います。自分よりも大きな人を支えることもありますし、本来は2人で行うべき介助も夜勤などスタッフの人数が少ない時は1人で行わなければなりません。その状態が続けば体力を消耗してしまうでしょう。
また、残業や休日出勤がありしっかり休めないまま仕事に戻るケースも少なくありません。介護業界は深刻な人手不足に直面しています。それに加え、新型コロナウイルスの影響もあり、残業や休日出勤を強いられることもあります。それでは自宅でしっかり休んだり、レジャーに出かけてリフレッシュしたりすることはできないでしょう。しかし、そのような状態でも利用者の生活を支えていかなければならないのです。体力がなければすぐに限界を迎えてしまうでしょう。
さらに、24時間体制の施設では日勤だけでなく夜勤もあります。体力的にきつくなるのはもちろん、生活リズムが崩れやすくなります。その上、夜勤は日勤に比べてスタッフの人数が少ないため、1人にかかる負担も日勤より多くなります。

体力が必要な理由とは

精神的な負担は体力にも影響する

体力と精神面の健康は密接に結びついているといわれています。介護士は利用者の安全に気を配りながら業務を進めていきますが、認知症の人が理不尽な暴言を吐いたり、暴力を振るったりすることもあるため、対応する際に大きなストレスを感じている人もいます。また、介護の仕事は職場内の連携が欠かせませんが、スタッフの年齢層が幅広いため人間関係を築くのが難しく、うまくいかないことに悩みを抱えている人も少なくありません。
介護士を求めているところは数多くありますが、施設によって方針や考え方が異なります。スタッフの人数や体制などで利用者1人ひとりに寄り添いたくても関わる時間が取れないなど希望通りの介護ができないケースもあるでしょう。それではイメージと現実にギャップが生じ、ジレンマを抱えることになってしまいます。
このようにストレスを感じることが多いと気力が削がれてしまうため、ホルモンバランスや自律神経に悪影響を及ぼし、様々な症状を引き起こしてしまいます。

精神的な負担は体力にも影響する

体力の衰えを感じている人へ